あらすじ

神聖歴842年。アステル王国は、大地を蝕み、生命を枯らす「瘴気」の脅威に晒されていた。この厄災に対抗できるのは、神より浄化の力【サンクトゥス】を授かった聖女のみ。 当代の聖女エリアーナは、歴代最強の力を持っていた。しかし、その力はあまりに規格外だった。彼女が全力で魔法を行使すると、瘴気は完全に消滅するものの、その地の生命力もろとも浄化され、後には何も育たない真っ白な灰の土地が残るのだ。人々はその凄まじすぎる結果を恐れ、彼女を「腐敗の聖女」と蔑んだ。 時を同じくして、もう一人の聖女、リリアンが現れる。彼女の力は弱く、瘴気の進行をわずかに遅らせることしかできない。だが、大地を傷つけないその「優しい力」は、人々に安心を与えた。王太子アルフォンスは、エリアーナの力を危険視し、リリアンこそが真の聖女であると宣言。エリアーナは国を滅ぼしかねない偽物として、全ての力を奪われ、最も過酷な辺境「灰色の荒野」へと追放される。 絶望の中、辺境での生活を始めたエリアーナ。しかし、そこで彼女は自身の力の本当の使い方に目覚める。全力ではなく、繊細なコントロールによって、瘴気だけを消し去り、大地に生命力を与えることさえ可能だと知ったのだ。彼女は不毛の荒野を緑豊かな楽園へと変え、辺境の人々と共に穏やかな暮らしを築いていく。 一方、エリアーナを失った王国では、リリアンの力では到底抑えきれない瘴気が爆発的に拡大。国土は次々と侵食され、王都にまでその魔の手が迫っていた。国が滅亡の危機に瀕した時、彼らはようやく自分たちが犯した過ちの大きさに気づく。追放した「腐敗の聖女」こそが、唯一の希望であったという事実に。

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小説を読もう2025/08/21
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