あらすじ
久瀬ノ戸槙、三十路を迎える高校教師。友達のような感覚で生徒と接する事から、生徒からは「槙ちゃん」と呼ばれ、人気のある先生だ。
都築織人は、高校三年生。母子家庭で、年齢を偽りバイトばかりをしている、授業をサボりがちな生徒だ。
そんな織人だが、槙の授業だけは欠かさず受けている…筈なのだが、春のある日、教室に織人の姿が見当たらない。探して屋上に出てみれば、「鬱陶しい」という悪態つきで、織人は槙にキスをした。
それに驚き戸惑う槙だが、過去にも織人から告白を受けた事があった。
槙と織人は、教師と教え子の前に、幼馴染みである。
槙が高校生の頃、まだ幼い織人と出会った。それからは、織人は槙にとって可愛い弟分、その小さな手のひらに救われたこともある、大事な存在だ。
織人の思いを受け入れられない理由は、色々ある。男同士、兄弟のような幼馴染み、今となっては教え子だ。
だが、それを抜きにしても、槙には織人の気持ちを受け入れられない過去があった。
槙は恋をしないと決めていた。自分は幸せになる資格はない、だって、恋した彼が亡くなったのは、自分のせいなのだからと。
桜を見れば、いつだってその心は過去に戻り、彼を思う。
過去に立ち止まる選択をした槙に、それでも織人はめげずに思いを伝えていく。
幼馴染みの特権とばかりに、槙の部屋で過ごす時間に。学校で、体育祭で、思いを込めた下手な絵に。
自分を許せない槙を代わりに許すように、丸ごと受け止めるように、もう、身を引いたりはしないと。
槙の友人達に見守られながら、槙を過去から連れ出そうとする織人に、槙は徐々に過去と向き合う決心をする。
恋した彼と、彼の家族、そして未来と向き合っていく。
教師と生徒で幼なじみ、そんな二人の、それぞれの初恋のお話です。
*「初恋」から、「桜と星と初こいと」にタイトル変更しました。
*(2024.3.9)修正を行った為、ページ数が増えています。