あらすじ
九桜院さちは、あやかしに喰われるために生まれてきた──。
時は大正。
さちは九桜院家の隠し子として生まれてきた。美しき姉の身代わりに、あやかしの総大将と言われる、ぬらりひょんに嫁ぐためだけに、秘かに育てられた。
幼い頃より実父と使用人仲間に虐げられ、笑って耐えることしか知らぬさちは、いつしか「ぼんくら娘」と呼ばれるようになる。
唯一の心のよりどころは姉の蓉子が優しくしてくれることだった。
「可愛い妹、わたくしの代わりにぬらりひょん様に嫁いでくれるわね?」
幼き頃より年頃になったら、ぬらりひょんに嫁ぎ、やがてあやかしたちに喰われるのだと教え込まれていた。
疑うことなくぬらりひょんに嫁いださちは、笑顔で話す。
「食べやすいように、お塩をふりましょうか?
それとも、そーすがよろしいですか?」
仰天したぬらりひょんは笑いながら言う。
「わしのためにハイカラ料理を作れ。さすれば喰わずに置いてやろう」
大好きな料理ができると知ったさちは、やがて心からの笑顔を見せるようになっていく。
虐げられし少女は、あやかしたちに出会い、本当の愛と幸せを知る──。
大正あやかし&大正ぐるめファンタジー。
※作中に出てくるレシピは、わかりやすくするため、現代風の文章になっています。
料理名や材料名などは雰囲気を出すため昔風の表記になっているもの(例:メリケン粉)もあります。ご理解お願い致します。
※途中にある挿し絵は紗倉様に描いていただきました。
完結しました。お読みいただきありがとうございます!
機会があれば続編を書きたいと思っています。
※小説家になろう様にも掲載しております。