あらすじ
台風の夜、古風な女子高生・桜田ゆきは、桜田家に伝わる“時間を切る刀”の封印を解いた。闇を一文字に裂けば、昼が滲み、蝕む太陽——〈喰日(くいひ)〉が目を覚ます。教室では人が消え、空席には艶やかな牡丹が供えられる。転校生・倉持健太(化けイタチ)と、器となりかけた幼馴染・御堂一樹。
ゆきは戻る道を結ぶ“蝶結び”を頼りに、記憶という代償を払いながら神隠しの心臓へ刃を届かせる。月の光で闇を裁き、太陽の渇きから大切な人を取り戻す——そのたびに、自分の最も重い思い出が一枚ずつ剥がれていくとしても。
和の怪異がうごめく学園で、〈見る順番〉と〈払う重さ〉をめぐる選択の物語。