あらすじ
はじめに
奴隷とは、性ではなく支配の闇
「奴隷」という言葉は、時に軽く扱われすぎる。多くの人が、どこかでそれを『性の倒錯』と結びつけて消費してしまう。だが、私がここで描くのは、欲望ではない。奪われた声の物語だ。
奴隷とは、奪われた歴史の声
この物語の舞台は、かつて「ブルボン島」と呼ばれた現在のレユニオン島。フランスの植民地支配の下で多くの黒人奴隷が連れて来られ、サトウキビ畑で命を落とした。当時の史料や、残された古文書、奴隷小屋の跡地を見れば、その暮らしがどれほど苛烈だったか想像できる。
奴隷とは、植民地主義の爪痕
列強の支配は、土地だけを奪わなかった。言葉を奪い、家族を奪い、名前を奪い、文化を奪い取った。残された人々は、自分の歴史を語ることすら許されなかった。私はそれを物語にする。
奴隷とは、暴力の継承である
あの時代の暴力は、いまも別の形で残っている。差別、偏見、階級――支配の構造は形を変え、私たちの足元に潜む。だからこそ私は、この物語を『恋する奴隷達』と名付けた。愛を描くことで、暴力の底を照らすために。
このお話のあらすじ
19世紀半ばのフランス植民地ブルボン島、奴隷の島と呼ばれたこの火山島で働く三人の奴隷達、アフリカ人・ナイアン、インド人・ムケシュ、中国人・ユン。サトウキビ畑で働いてるけどお砂糖なんて一口も食べられない。何処かの誰かが、お茶だの珈琲だのにお砂糖入れて飲み始めちゃったりしたから、皆が真似してお砂糖が大量に要る!しかもめっちゃ儲け話やん!ってことで、例の植民地拡大会社(東インド会社ね)が南の島々を占領してサトウキビ畑をこさえて、肉体労働できる奴隷をとっつかまえてそこら中に強制連行したらしいよ。この三人の男の子たちも色々あってそんな風に奴隷にされちゃった・・・。そういうマジな史実を背景に奴隷達が経験したであろう人生、彼等のお年頃から言って“恋愛”を中心に描きました。奴隷だって人間だから恋もするよ。しかも悲恋だったのは想定内。という訳で、さて、彼らの恋と人生はどんな展開になるんでしょうね・・・。