あらすじ
今から数十年前、——西暦20××年のことだ。
ある海洋機構の調査によって、深度8000mの深海から発見された未知の“古代生物”がいた。
その細胞――Λ細胞の研究は、人類に新たな進化をもたらすはずだった。
だが、結果として生まれたのは「変異体」と呼ばれる存在。陽性者は怪物へと堕ち、陰性者は“アンカー”と呼ばれる異能者として人類社会に紛れ込んだ。
各国は混乱を鎮めるため、能力者専用の都市圏を築き上げる。
日本における拠点は湾岸に浮かぶ人工島群――学術都市《日本支部》。
そこは異能者の教育と研究の名目で成立した未来都市群でありながら、裏では監視と抑圧のための檻でもあった。
そんな都市に暮らす高校生、新戸みなと。
彼の能力「ギフトステップ=魂付与」は、あらゆる物質に自らの魂を宿し、意識を分散できるという一風変わったものだ。実戦での派手さはなく、学園ランクはB止まり。しかしチーム戦においては仲間の思考をつなぎ合わせる「リンク」を駆使し、A級評価を受けるほどの協調性の天才でもあった。
――ただし、彼の心は能力以上にやっかいで。
一年生の頃から想いを寄せる少女、三崎あかり。
学園でも孤高の天才と呼ばれるAランクの美少女に告白するも、当然のごとく玉砕。失恋のショックで寝込んでいたみなとのもとへ、まさかのあかり本人がお見舞いに訪れる。
「心配だから」と置かれた飲み物。ドア越しに交わされた優しい声。
その瞬間――みなとの能力が“暴走”する。
気づけば、彼は望んでもいないのにあかりの✖️✖️✖️に魂を付与していたのだ。
不可抗力、完全なる事故。だがよりにもよって“それ”の感覚と視点を共有してしまった彼は……