あらすじ
雨が降るあの空の日、俺は飛び降りた。
30歳でいつまでも社畜をしている俺は、ずっと童貞だろう。これまでもこれからも。
もう、なんのために生きているかがわからなかった。
始発から終電まで、会社と自宅を往復するだけの人生。恋愛も友情も希望も……“運も“全部遠い話だった。
屋上の冷たい空気が肌を打つ。視界が逆さまになり、街の灯りが流れていく。
気がつくと俺は、異世界にいた。
しかもこの世界では、俺にはランダムで幸運が降ってるという力があるらしい。
ただし、強く念じて望むタイミングで幸運を起こそうすることもできるが、その代償として、誰かが俺のことを必ず忘れてしまう――。
社畜人生は終わった。だが、幸運ライフは、思ったより危険で、そして――切ないものになるらしい。