あらすじ
聞いて欲しいことがある。
普段、よっぽどの事がない限り相談とか愚痴とか言わないようにしているんだが。
この俺、欅 颯にどうやら「彼女がいる」らしい。
いや待ってくれ、なんで俺の事なのに「いるらしい」って言うのかって?
そりゃあ心当たりがないからだよ。
いつ俺に彼女ができた?
確かにごく普通の高校生だ、彼女がいてなんかそれらしい青春っぽいの? があれば嬉しいよ。
でもさ、心当たりないし、そんな噂のせいで実は俺のことが好きだった女子が万が一いたとして、その女子から告白されなくなるだろ?
誰だよそんなデタラメ言う奴、嫌がらせも程があるだろ。
「なあセンパイ、そう思わないっすか? センパイからも『そんな事実はございません』って政治家っぽく言ってくれません?」
「んー? 別に私は困ってないからどうでもいいよ」
ちくしょう、フリーダムなセンパイはいつもこうだ。
俺の彼女にされてしまっている橘 桜はケラケラと笑いながら俺の頬を突っついた。