あらすじ
故郷京都を遠く離れた者にとって、歳を重ねるにつれて郷愁の念が高まって来る。こんな折、同窓生から届いた褒賞受賞記念パーティーへの招待が、京都への旅に誘った。
これは西国観音巡礼と小説の取材を兼ねた京都逍遥であり、京都の史書に基づき史跡を訪ねることで紀行にしている。
西国観音霊場は、第十八番 頂法寺(六角堂)、第十五番 観音寺(今熊野観音)、第十七番 六
波羅密寺、第十六番 清水寺であり、ここから祇園社、知恩院、祇園新地、四条大橋、先斗町、三条大橋、新京極へ、翌日は六角通り、六角牢跡、神泉苑、奉行所跡、大極殿跡、千本閻魔堂への経路を辿っている。
文中に森鴎外、澤田ふじ子両氏の小説を引用しているが、京都に生まれ育った者にとっても知り得なかった江戸時代京都の風情を垣間見るためのものである。
そして、この取材をして書いたのが拙書「孤狼」であり、京都東町奉行所与力を致仕した後に神沢貞幹が著した翁草に多くの題材を求めております。
尚、文中に江戸時代の階級社会を現す文書があるが、これは史書に基づく記述であり階級差を意図したものではありません。