あらすじ

「書棚を見せてもろうてもよろしいか。勿論触ったりせんよって」  高価で貴重な書を繙かせてもらえるとはさすがに思わないが、学で身を立てているというこの男がどんな書を揃えているのか。書を好む者なら、せめてそれだけでも知りたいと思うのが人情だろう。  少し間があった。 「題簽を眺めて意味があるか」  言葉に刀身の閃きを観たような気がした。ぞくりと、背を何かが走る。  男は真っ直ぐに源佐を見据えている。 「書は珍しい玉や色鮮やかな鳥とは違う。眺めて有難がるのは時間の無駄だ。やめておけ」      ☆ 江戸時代初期の儒者、山崎闇斎と伊藤仁斎の交流を描いた創作歴史小説。朱子学者の闇斎と、古義学の仁斎が堀川通を挟んだお向かいさんだったことは、近世儒学史上の事件であったと言われます。学説も性格も対照的な二人の生き様から想像を膨らませて書きました。お楽しみ頂ければ幸いです。 【登場人物】 伊藤源佐   市井の儒者。号は仁斎。その学は古義学と呼ばれる。 伊藤源蔵   源佐の長男。号は東涯。 板垣民部   板垣民部信直。下御霊神社神主、闇斎門人。後に出雲路と改姓、出雲路信直と名乗る。父は元専。 浅見安正   山崎闇斎の門人。号は絅斎。 山崎闇斎   儒者・神道家。名は嘉右衛門。その門流は崎門と呼ばれる。垂加神道の創始者。           ☆ なろう、アルファポリス、ノベルアッププラスにも掲載。18000字程度。ぼちぼちアップしていきます。 BOOTHで紙本を扱っています。 https://fukahiro.booth.pm/items/1478695

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エブリスタ
エブリスタ2021/02/23
  • 現在の作品一条の光 ―山崎闇斎と伊藤仁斎―