あらすじ

東寺の初弘法で出会ったのは、弥兵衛が京に来て間も無い時に追い払った熊風一家の如何様博奕で、壺振りをしていた清太郎であった。その清太郎は按摩と鍼灸の修行をしていたが、不動に見込まれて闇雷の発条を仕込まれ、闇の名を雷の清玄と名乗っていた。智里と勘蔵を合わせ四人での食事で、話に出たことは大麻畑で弥兵衛が出会った女のことであった。その女は絶世の美しさで、弥兵衛が例えるには越の西施の如き美女である。そんな女が怨念を持つには被った遺恨があるはずで、智里が数年前にあった太和屋の闕所・所払いを思い出した。太和屋の一件を、この方内を管轄する五十嵐家の源四郎と元朝倉家藩士を父に持つ平助に相談すると、朝倉藩は太和屋に多額の借財があること、太和屋は織元大木屋から産地を偽った格安の織物を買い、西陣物として売却していたこと、これを吟味したのが東町奉行所公事方与力金丸銀五右衛門であったこと、更には、大木屋は西陣焼けで焼亡していたことが判った。一方、大麻畑以来、女の動きは無く、清玄が東寺で手当した若狭屋女主の息子に大麻の臭いを感じ、この息子が通う集まりを調べることにした。  その集まりでは女が大麻を売り、大麻の煙に冒されながら若い娘の踊りを見る催しであった。こんな集まりに闇の剣士が目を付けていることを示すと、女の口からは、明くる月の朔日に大量の大麻を使った祭りをするとの話が出た。その時刻に船岡山にいると言う女に、奉行所を襲う意図があると判断した弥兵衛達、闇の剣士は船岡山に向かうことになった。そこに現れた女と二十数人の男達に弥兵衛、源四郎、清玄の闇星の剣、星影の飛剣、闇雷の発条は、凄まじい威力を発揮し男達を倒していた。しかし、女と一人の男が逃げ去っており、大麻畑へ行くと焼けた小屋の傍にへたり込んでいた。そこから逃げ出した男を追う弥兵衛を見送ると、女の口からは清玄に謎めいた言葉が語られた。そして、語り終えると女の体は薄くなって見えなくなり、蛍に変わって飛び去っていた。

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エブリスタ
エブリスタ2021/09/12
  • 現在の作品闇の剣士 剣弥兵衛 悪霊の本質(西施の如し)(五)