あらすじ
永禄十三年、徳川家康と徳川軍は三河から陣座峠を越えて、遠江に侵攻した。
家康の脳裡にあるのは、甲斐の武田信玄である。
駿河侵出を目論む信玄と歩調を合わせ、利害がぶつかぬよう、そしてこの時は信玄の同盟者であった織田信長の顔色も窺いつつ、慎重にやってきた。
そして、そんな家康を見つめる遠江の国衆らがいた。
井伊谷を落とし、引馬城付近まで来た家康に、同じく駿河の今川館を急襲した武田信玄から“密約”を誘う文がくる。
凶暴で鳴らす武田兵と争わなくて済むなら…。
背後にいる岐阜の信長の眼を気にしながら、家康はこの密約を締結する。
それが家康と徳川家の受難の始まりだった…。