あらすじ
幕末。ある髪結のところに男が髷《まげ》を切ってくれと訪れる。男は自らを鬼と称した。
その後数日、鬼の髷が欲しいという客が何人も現れ、不気味に思った髪結は髷は処分したと告げた。すると鬼の髷を欲しがる客は来なくなり安堵したものの、実は髪結は鬼の髷を処分などしていなかった。
ある日、髪結が鬼の髷を取り出すと、突如黒猫が咥えて外に逃げてしまう。髪結が追いかけると、そこには髷を咥えた黒猫と一人の男が立っていた。
髪結は髷を返して欲しいといいかけたが、鬼の正体を知っているらしい男の懇願で髷を渡すことにした。
数十年後。
男は偶然自分が髷を切った男の写真が載った雑誌をみるも、痴呆が進んでいた彼は、結局鬼の正体を知ることはできなかった。