あらすじ
岡っ引きの孝蔵は十手をなくして悩んでいた。首になるのではないかと店の女将に漏らしていた。上司の恭一に励まされて、小者仲間の東ニにも励まされて、おせち料理を肴に酒を呑んだら酔ってしまい気がつくと孝蔵は東ニの部屋で寝ていた。目覚めてあわてて起きあがると孝蔵は外に出て帰ることにした。孝蔵は酔ったせいか道に迷った。座ってたばこを吸い一休みすると同じところを行ったり来たりしていたことがわかった。東ニの家を出たのは暮六つだったのでもっと遅く孝蔵は自分の家に帰ったが妻のさいは待っていた。おせち料理を一緒に食べたが二階には上がらなかった。酔っていて二階に上がる自信がないため一階で寝た。
十手を持ち孝蔵の名を口にする男が十三の娘の帯を解こうとしたところに父親が来て助かったが、その男は十手を持ち「孝蔵だ」と言っていたらしい。本物の小者の孝蔵がうたがわれた。
「十手を持っていない」と孝蔵は言った。
「小者が十手を持っていないとはどういうことだ」と同心の竜吉に怒鳴られた。
その情報屋の貞二が通りがかり嘘だと言ってくれた。
竜吉はとたんに機嫌がよくなって帰って行った。
恭二は夜道で小者を襲う科人がいると言いはじめた。孝蔵は恐ろしかった。
科人は孝蔵の名前を語っていた男で、彼の名前は冬二だった。冬二は岡っ引きに捕まった。奉行所に役人にしょっ引かれて行きそのあとは牢屋敷に行くのだろうと孝蔵は考えていた。
孝蔵の息子が湯屋で働くようになった。孝蔵の息子には仲のいい娘もいるらしかった。孝蔵の従妹は貞二と仲よくなったらしかった。
今頃になって孝蔵に情のようなものが芽生えた。