あらすじ
ライトに読める歴史物のつもりが歴史っぽい和風ファンタジーになりました。調べれば調べるほど人物背景小物建物地理関係諸々が魔境です。
あらすじ
時は天正六年六月二日未明。
阿弥陀寺の僧侶、成真はふとしたことで夜中に目が覚めた。そこに織田信長の小姓、白川藤四郎が駆け込んできて明智光秀の謀反を告げられる。
成真は一大事と住職の清玉上人のもとに走り、驚いた清玉上人は本能寺はと向かおうとする。下っ端僧侶の成真は見送るはずがなぜか供をすることになり、白川に先導され本能寺へと向かった。
しかし燃え盛る本能寺につくと、忽然と白川は姿を消してしまう。驚く成真だったが、さらに周りの僧侶に聞けば、白川なる人物はいなかったといわれ混乱する。確かにいたのだと反論しようとしたとき、白川の声が聞こえ、いつのまにか成真の手の中にはずしりと重い包みがあった。清玉上人が中身を確認すると、それは信長公の首と愛刀、粟田口吉光が一振り薬研藤四郎という刀であった。
清玉上人から粟田口はかつて白川と呼ばれていた地名であると教えられる、消えた白川は付喪神であった薬研藤四郎であると知る。知らずに縁を結んでいた成真は清玉上人から、信長公の首を遠くの寺に隠して守ることを頼まれる。
成真は清真と名を変え、住職となった寺は数百年後も存続したが、なぜか初夏には桔梗が狂い咲き寺を囲み、許さぬという執念をさまざまと見せつけられるのであった。