あらすじ
【エブリスタ小説大賞2022 双葉社 女性向けマンガ原作賞 優秀作品】
大正七年。
浅草十二階にカフェー、新劇に娘義太夫、キネマに大相撲……ハイカラ文化と和洋折衷のエンターテイメントが花開く興行の聖地、浅草六区。
西洋(クラシック)音楽黎明期、現代では当たり前となったオペラやオペレッタ(※オペラに比べ台詞や踊りが多く喜劇的要素の強い歌劇)の原曲上演が普及する一時代前、突如としてその地に咲いた大輪の花が「浅草オペラ」である。
「カルメン」「椿姫」「こうもり」といったオペラやオペレッタのエッセンスを活かし、親しみやすくアレンジした演目や、日本人の手によるオリジナルの演目によって人気を博した総合エンターテイメントである。
同じく草生期であった新劇や少女歌劇とも互いに影響を与え合った。
若き日の川端康成や谷崎潤一郎、宮沢賢治など著名な作家や文化人達をも虜にし、街角では流行歌のようにアリアが口ずさまれ、出前持ちが鼻歌で序曲を歌う光景が見られたという。
歌と踊りに生きるオペラ団の少女達、彼女達に憧れ追いかける男達。
そんな、浅草オペラの世界にようこそ。
※登場人物(ネタバレあり)※
●柳沢藍子(やなぎさわあいこ)
天才的な感性を持つピアニスト志望の21歳。音楽学校の学生だったが家族の無理解で退学を余儀なくされ、彷徨っていた。深水や鄭に助けられ、伴奏者として浅草オペラの世界へ。
ベートーベンを敬愛している。
●鄭詩温(てい しうん)
西洋音楽カフェー歌話茶房の経営者であり、カフェー付きオペラ団の創設者。指導者として成功を目指す。
●深水出(ふかみ いずる)
天才的な音楽家だが保守的な日本の音楽界とは水が合わなかった。歌話茶房での伴奏とオペラ団の指導をしている。
●ミミ
後に歌劇団の看板女優となる勝ち気な
少女。
●リウ、トシ、タミ、蝶子
ミミとともに歌劇団の看板女優を目指す。
●森江史郎(もりえ しろう)
関西の裕福な貿易商の一人息子。西洋音楽の知識はあまり無いが熱心なオペラファン。
2022.12.1 「スター特集」に掲載。12.8完結。12.19 双葉社 女性向けマンガ原作賞 優秀作品選出