あらすじ
フリーライターとして活動する「私」は、ある日書いた記事が大炎上する。タイトルは『素人の小説なんて犬でも読まないのに、勘違いする“天才”たち』。実際の内容はアマチュア作家を馬鹿にするものではなく、プロとアマの違いを分析したものだったが、センセーショナルな見出しだけが独り歩きし、ネットは大荒れ。SNSでは私への人格批判まで始まり、仕事の依頼も全て打ち切られる。
そんな失意の中、私のもとに一冊の謎の本が届く。タイトルは『人生をやり直すためのたった3つのコト』。誰が送ったのかもわからない自己啓発本。送り主に心当たりがあった。「記者Z」――かつて論争を繰り広げた新聞記者のことを。
言葉を武器に生きる者が直面する葛藤と、消えゆく才能への惜別。炎上の果て、「私」はただひたすらに自分自身を見つめなおし、過去の自分を捨てる決意をする。
“言葉を信じたい”すべての人へ。