あらすじ
中学の時の親友であった「詩音」が、同じ名前の花が咲く冬に死んだ。
二十歳になった”夏芽”の元にその訃報の手紙が届く。親友の最後を認められない。
まだ認めたくない。そんな葛藤を抱えながら、葬儀会場である地元の宮城へと向かう。
その途中、同級生である田村にも出会い、過去の思い出を思い出しながら、詩音の母親から一つのある日記を渡される。
それには、詩音が精神病を患い、閉鎖病棟に入院するまで。生きて死ぬまでの記録が綴られており、互いに行違っていた時間、その葛藤、彼女の本音の言葉が綴られていた。
あんたの前ではずっと綺麗でいたかった。
病気に侵されながら。夏芽を想い続けていた詩音の言葉を知り、そして最後に真っ白い一枚の手紙を見つける。
通夜の最後の夜、同席していた田村の横でそれを読む夏芽。本当は夏芽を好いていた田村の心。
そして、田村には渡さないと詩音が過去に告白していたこと。その全てがぶつかり、夏芽は一つの答えを出す。
「世界でいちばん愛してる。」
棺に横たわる冷たい彼女の額に、そう言って夏芽はキスを落とすのだった。
これは二人の少女が出会って、やがて別れ合うまでの愛の話だ。