あらすじ

明治時代の牢獄「月影監獄」に収容された死刑囚・景司は、独房の壁に刻まれた一句と出会う。「故郷を持たぬ者にも春は来る」。それは、直前までこの房にいた死刑囚・崇が遺した俳句だった。無実を訴えながら静かに処刑されたという彼の言葉に心を揺さぶられた景司は、己の罪に向き合いながら、その句に下の句を添えて応えようとする。看守の北沢から崇の遺した俳句や断片的な記録を受け取った景司は、次第に彼の思いを汲み取り、ひとつひとつの句を丁寧に書き写していく。復讐の果てに人を殺めた景司の胸に、小さな悔恨と光が差し始める。死者の言葉を継ぎ、春を信じるその心が、いつしか景司自身の救いとなってゆく。

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エブリスタ
エブリスタ2025/05/06
  • 現在の作品春、まだ遠く 死刑囚の俳句