あらすじ
北アフリカのとある街角、香辛料と煙に包まれたケバブ屋台「Santa Cosa」。
その厨房を切り盛りするのは、元スペイン海軍の料理人崩れ・トニーと、口八丁手八丁のイタリア系商売人・ルイ。
行き場のない者たちが集まり、気まぐれなマーケットの片隅で今日も鉄板を温めている。
ある日、二人は道端で倒れていた謎の男──ヴァンと名乗る元・薬学研究者を拾う。
一癖も二癖もあるこの男の知識が、思わぬかたちで屋台の味と運命を変えはじめていく。
スパイス、友情、金、そして危うい欲望。
“魔術師”のように現れたその男がもたらすのは、救いか、それとも混沌か。
笑って走って逃げて喰って、泣いて少しだけ立ち止まる。
――これは、「ちょっと訳ありな三人組」が、世界の片隅で居場所を探す物語。