あらすじ
食品工場で働く未希は、悲しい過去を引き摺りながら、夫、渓の不倫を黙認し冷めきらない程度の夫婦関係を保ちながら、単調な毎日をやり過ごしていた。
自分は周りの人とは違う運命を背負っているのだから、普通の幸せなんて望んではいけない。
未希には、ずっと誰にも理解されない孤独感があった。
隣の芝生では同僚のあさ子が、傷付きながらも自由を求めて、自分の人生に向き合う姿が眩しく映る。
ある日あさ子に連れられ、女装家しのぶが経営するレトロなBARメレンダで一人の男と出会う。
谷原響。
やわらかい印象とはうらはらな、鋭い眼差しでカクテルシェイカーを振る彼に、未希の目は一瞬で釘付けになった。
今まで生きてきた中で感じたことのない危ない予感‥‥
モヒートの中でミントの葉が、ゆっくり沈んでいくように未希は谷原に惹き込まれていく。
何故こんなにも彼に惹かれてしまうのだろう。