あらすじ

ーー 「器」として選ばれた人々は、深淵にて無数の瞳を見る。 異形の子を取り上げた医者、行方不明の恋人を捜す乙女、 隣村とのわだかまりに嘆く女性、噂の真相を追う男装の麗人。 すべての生命は等しく死を迎える。 そのすべてを見届けるは、奈落の名を持つ姫君。 空虚で虚ろで幻に近い幻影。無限に近い永劫の巡り廻り、 闇に潜む彼女はアビス。何処まで堕ちても彼女の掌の上。 ーー 始まりは小さな町の病院だった。 ある日、腹部に違和感を感じる男性が来院する。 診察の結果、彼の胃の中に胎児がいることが判明。 時を重ねると男の腹は次第に膨れていった。やがて彼は奇妙な夢に悩まされるようになり、現実との区別がつかなくなるほど、精神を蝕まれた。 そして、男の胃の中から、山羊の頭に人間の体を持つ異形の赤子が取り上げられる。 それから時は過ぎ去り、医者も胃に子を孕む。 看護婦は赤子の器に選ばれることは、お父様からの祝福だと語り、医者を甘い囁きで惑わせて思考を奪い取った。 平穏な日常は突然崩れ去り、奈落が世界を蝕んでいく。 闇の恐怖と異形の運命を享受せよ。

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エブリスタ
エブリスタ2024/08/10
  • 現在の作品胃中胎児―イチュウハラミゴ―