あらすじ
時は昭和初期。
病弱な女学生、矯子(きょうこ)は幼い頃に母を失っていた。
そんなある日、成金の父の後妻であり、新しい母となる女性がやって来る。
彼女―――小百合(さゆり)は、矯子の元同級生であった。
没落した伯爵家の令嬢である小百合は、金で買われた花嫁と揶揄されながら、母として甲斐甲斐しく矯子を看病する。
白百合様、と女学校でも憧れの対象となっていた小百合を快く思っておらず、同い年の彼女を母とも認められずにいた矯子だが、少しずつ心を溶かしていく。
しかし、聖母の如く慈愛に満ちた小百合の昏い影が、徐々に明らかになっていく。