あらすじ
「おにいちゃん、すぐ良くなるからね」
窓を開けながら佳奈はそういった。雑巾で窓枠の汚れを拭いている。
朝の陽光が無機質な病室を照らす。外の明るい日光は白い病室には、明るすぎてむしろ不自然におもえる。
まさかこんな早くに死を迎えるとは思わなかった。この人生、楽しいことはそんなになかった。彼女だって高2の春に数か月いただけだ。
そしておそらくこのままこの人生は終わってしまう。
なんて人生だったろう。こんな短くて何の意味があろうか。
佳奈はそんな俺を慰めるように、学校の無い日は大抵見舞いに来てくれた。
父も母も共働きなので、親が見舞いに来れるのはだいたい土曜か日曜のどちらかだ、そしてたまにどっちも一週間来ないこともあった。