あらすじ
この国にはすべての国民に課された十二歳の通過儀礼がある。
それは、新年七日の朝七時から、その年十二歳になる子供を集めて、国王に目通りさせる、と言うもの。
今年十二歳になる伯爵令嬢レニ・メレジェイも、この通過儀礼のために、謁見を待つ長い列に混じらされていた。謁見の場で眼鏡に適えば、平民であっても王宮勤務に就ける可能性のある、一世一代の好機。けれどレニは、そんな期待も持たずにやる気なく列に倣っていた。
その理由は、ひとえに、
「まあ、魔力なしの落ちこぼれじゃあね」
出世するには魔力が必須の国で、貴族でありながら魔力を持たないレニは、なんの期待もされない落ちこぼれ。
そんなレニにとって、この儀式は、好機でもなんでもない、単なる面倒な通過儀礼。
その、はずだった。
魔力零の落ちこぼれ令嬢と、魔力が高過ぎて悪魔と呼ばれる国王陛下。出会うことのないはずだったふたりが出会い、婚約者として手を取り合うお話。