あらすじ

旧市街の井戸は「口づけのかたち」で開く——夜勤で井戸の体温を測る簫祷 澪は、ある夜、笛を持たない案内人フラウト・クレドレスに導かれ、水の都スピラ・デルマレへ足を踏み入れる。 この街では、恋は税、息は契約。渦の監査官渦侯が告げる「潮の査閲」により、二人の関係は“門(澪)”と“鍵(フラウト)”という役割へ試されていく。 澪に芽生えた能力【澪標】は、触れずに道を立てる旗。その旗が立つ朝、現実と異界の井戸はつながり、ひとつの選択(動詞)が、恋と街と救いのかたちを変えていく——。 登場人物 簫祷 澪(しょうとう みお) 旧市街の水道課・臨時夜勤。沈黙=判断の保留が癖。 異界で目覚める能力は【澪標】——触れずに“水の道”を立てる旗。 フラウト・クレドレス 笛を持たない笛吹きの案内人。水の系譜。 能力は【潮読】と【潮耳】。 渦侯(うずこう) 渦が人の形を取った監査官。 巻貝の冠を戴き、潮の匂いの承認印を押す。 モットーは「恋は税、息は契約」。 潮の査閲を運用し、恋の未遂や後悔に税率を定める。 雨辻 直結(あまつじ なおむす) 現実側の同僚。缶コーヒーと配管図がトレードマーク。 目に見えない出来事に“忙しさ”で距離を取る常識人 非常時には確かな楔になる。 スピラ・デルマレ(舞台) 「川が空へ流れ、空が井戸へ落ちる」水の都。 葦のホール、逆さ井戸、葦札・貝片・潮石など器を避けた儀礼が特徴。 井戸/廻潮界(設定) 井戸は表口と裏口を持つ門。 開く時は口づけのかたち、閉じる時は“何かを嚙み砕く”。 息=契約が世界のルール。

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小説を読もう2025/08/13
  • 現在の作品口づけ井戸の異界で恋は税になり、私は警笛になる