あらすじ
初夏の田舎町。男子校に通う幼馴染の少年二人に宛て、一通の手紙が届いた。
その差出人は、世界から消されたという友人だった。覚えのない「三人目」の存在について、性格の違う二人はそれぞれ考える。手書きで長々と綴られた手紙、その内容を信じた一人と、信じられなかったもう一人。
やがて田中弘人はその存在を感じ取る。声が聞こえる、姿が見える、自分にしか分からない大事な友人。お前をこの世界に戻してみせるのだと彼は決意した。「三人組なんて無かったんだよ」。あいつ本人は、そう言うけれど。
やがて鈴掛明良はその人間を知る。不登校から復学してくるというクラスメイト。そいつを加えた三人組なら楽しくなるかもしれないと彼は想像した。「俺ってマイペースなの?」。実際のそいつは事前情報以上に変わったやつで、だけど面白くて。
自分の隣に居る人を、自分の周りで起こっていることを、自分はどれだけ知っているのだろう。広くて深い世界の中、理解出来ることも解決出来ることも一握りだ。
本当に変な話ではない、これは、「本当」と「変」の話。