あらすじ
北極圏、スヴァールバル諸島。
その中心地ロングイェールビュンは、世界でも珍しい**「ほとんどの国籍がビザなしで住める自由な町」**だ。
日本からやってきた田中悠介は、炭鉱跡を活用した風力発電+屋内菜園+ホテルという一大プロジェクトを実現するため、この町に降り立つ。
目的は、極地でも環境負荷を抑えた新しい観光モデルを作ること。
案内役として出会ったのは、地元生まれの観光ガイド、エミリア。
彼女の案内で悠介は、この町の自由さ、美しさ、そして厳しさ――シロクマが訪れる日常までも知っていく。
やがて二人は、ホテル建設と発電設備の計画をともに練り上げ、完成に向けて動き出す。
そして冬、全ての準備が整った夜。
観光客向けに公開する前のダイヤモンドダスト演出テストのため、二人は坑道跡のホテル前に立つ。
暗い空に光が走り、風が氷の粒を舞い上げ、世界が白い輝きに包まれたその瞬間――悠介は、言葉を告げる。
氷の町で芽吹くプロジェクトと恋。
世界の果てで紡がれる、再生可能エネルギーと自由都市の物語。