あらすじ
坂の上には、少しだけ特別な風が吹いていた。
御影坂上十番通り商店街──通称「カタリナ坂」。季節と風と人が交差するこの坂道を舞台に、曜日ごとに8つの物語が展開される都市型群像劇。
元編集者の女性、質屋を継いだ男、花を束ねる青年、音楽と記憶に向き合う若者、名もなき演奏者、孤独なバーテンダー……
誰もが人生の“ほつれ”を抱えながら、この坂でささやかにすれ違い、ときに見えない形で繋がっていく。
語られない感情を「音」に、戻れない日々を「香り」に、残せない言葉を「光」に託しながら──
彼らはそれぞれの時間を、もう一度、歩き始める。