あらすじ
未来都市で働くAI技師の主人公は、人々の「嫌な記憶」を改ざんして消す仕事をしている。
ある日、交通事故の記憶を消してほしいという少女が現れ、作業後、主人公の周囲に不思議な“青”が増えていく。
青いカップ、青い砂時計、青いボール――それらは事故現場を思わせる色だった。
やがて主人公は、自分がその少女を助けられなかった過去を、自らの記憶から消していたことに気づく。
すべては、罪悪感から逃れるための自己改ざんだった。
しかし、真実を思い出した瞬間、少女はこう告げる。
「先生、もう目を覚ましてください。」
主人公は気づく――自分は事故で命を落とし、この世界は少女(生前の患者)がAI技師をモデルに作った“仮想記憶”だったのだ。
砂時計の砂が落ちきると同時に、青も、街も、少女の笑顔も消え、最後に残ったのは――事故現場の静寂だけだった。