あらすじ
松永景司は、地方の町工場で十数年働いてきた職人。祖母の介護と「地元を支える」という信念から都会への就職を断り、薄給ながらも誇りを持って金属加工に励んでいた。しかし祖母の死を機に生活は一変。家のローン、物価高、将来への不安が景司を現実へと引き戻す。
そんな折、都会で働く同級生真弓から高待遇の営業職への誘いが届く。迷いながらも「誇りは持ち続ける。でも、まずは稼ぐ」と決意し転職。新しい職場では成果主義の厳しさに苦しみながらも、生活は安定し、昇進も果たす。
やがて町工場との再接点を持ち、かつての仲間や後輩たちと再び関わる中で、景司は「誇り」と「生活」の両立を自分なりに成し遂げていく。人生の形は変わっても、芯は変わらない、景司が歩んだ静かな物語。