あらすじ
公証院の文庫係である記録官は、天鳴会、銀翼商会、鋼刃連盟、暁影団、白凰社、黒辰派といった五大勢力の動きを一年ごとに記録する。春、天鳴会の若き隊長が誤って中立商会・銀翼商会の商隊を襲撃し、賠償と入札優遇停止を招く。刃都では鋼刃連盟の新型装甲列車が脱線、原因は杜撰な下請け工事。暁影団は峠を奪うも、政治的宣言の遅れで撤退。白凰社の結界儀式は物資調達難で延期、黒辰派は海賊契約を見直すも沿岸防衛策が形骸化する。どの勢力も急ぎすぎ、あるいは言葉や手続きに囚われ、成果を失う。未完了印ばかりの年鑑を前に、椋は「急いだ者から、躓く」と記し、来年こそ一つは完了印が押されることを願う。