あらすじ
そこは、『霊術』という名の異能力が、当たり前に存在する世界。
『霊術』は武力としてだけでなく、生活の一部として使われるほど世に定着していた。
そんな世界で、霊術界の権化であり頂点『水無月家』に産まれた少年、水無月 祐。
彼は平和が好きだった。
誰しもが、権力に怯えず過ごせるように。
誰しもが、心を寄せ合い笑えるように。
そんな世界を目指していた。
だが………彼は、ある日を境に全てを失った。
家族、級友、富、名誉。
命以外の全てを奪われたその少年は世界に失望し、心を閉ざした。
そして『大切な人』を作らず、1人で生きていくことを選んだ。
…………だがそれでも彼は、人が好きだった頃の自分を忘れることは出来なかった。
人と触れ合いたい。
笑い合いたい。
いつしかの記憶がそう呼びかけるが、自らが抱える「孤独」が、それを阻む。
「孤独」と「平和」の矛盾を抱え、少しずつ心に傷を負いながら、それでも何も無いフリをして生きていく日々。
そんなある日、彼は唯一この世に存在する友人「神崎 恭也」に、入学するはずなかった高校へ無理矢理連行される。
そこは霊術士を育てるための高校とは名ばかりの養成所、『月園高校』。
平和と同時に霊術士としての道を捨てた彼にとって、そこは自身の存在が許されない場所だった。
元「権力者」である彼を周りは否定し、悪態と誣言が飛び交う。
そして………………そんな、否応なく導かれた夢も希望もない地で、彼はある少女に出会った。