あらすじ

昼の世界で暮らす女子高生・美緒は、ある夜、不思議な夢を見る。 桜の枝に止まった黒い鳥が、自分の名前を呼びこう告げた―― 「君はもうすぐ、“忘れられなくなる”」 それはただの夢ではなかった。 翌日から、美緒は昼の世界で微妙な違和感を覚え始める。 木々のざわめきが言葉のように聞こえ、クラスメイトの顔が夢の中の人物と重なって見える。 やがて、美緒は自分と同じように「夜を覚えている」者たちの存在を知る。 しかし、昼の世界は夜の記憶を忘れることで成り立っていた。 忘れられない者=覚醒者は異端とされ、社会から隔離されていく。 夜の世界でも「記憶を守る者」と「記憶を消す者」が対立し、その均衡が崩れ始めていた。 追われる身となった美緒は、覚醒者たちの密会に巻き込まれ、 昼と夜の双方で起きている世界の揺らぎを知る。 やがて、夜の世界の崩壊は昼の世界にも波及し、現実そのものがひび割れていく。 すべてを守るためには、二つの世界を和解させ、記憶を定着させなければならない。 昼と夜の代表が集う和解の儀式の場で、美緒は自らの葛藤と恐れをさらけ出し、 二つの世界を繋ぐ橋となる決意を固める。 ――境界に降る羽のように儚く、 しかし確かに刻まれた記憶は、やがて昼と夜を一つに結び、新しい世界を生み出していく。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2025/08/12
  • 現在の作品忘却の森を越えて、二つの世界が出会うとき