あらすじ
俺、香月蓮(かづき れん)には秘密がある。人の感情が『香り』として感じられる、ちょっと変わった体質だ。この力のせいで面倒なことも多く、普段はなるべく人と関わらずに生きてきた。
そんな俺の日常は、クラスメイトの白石紬(しらいし つむぎ)によって壊される。彼女は『氷の女王』と呼ばれる完璧なクールビューティー。だが、俺だけは知っている。彼女が時折見せる無表情の裏で、ふわりと甘いキンモクセイの香りを漂わせていることを。
ある日、彼女がなくした生徒手帳を拾った俺に「別に。捨ててくれて構わない」と言い放つ白石さん。でも、彼女から香ってきたのは、安堵と恥ずかしさが入り混じった、今までで一番甘い香りだった。