あらすじ
高校二年生の北見玲は、学年トップを強要する支配的な父親から虐待を受けながらも、表面上は平穏な日々を装っていた。
そんなある日、優秀な転校生・神楽涼が現れる。トップの座を奪われるかもしれないという警戒心よりも、北見は彼に説明できない違和感を覚える。
二人は実は、十二年前――五歳の頃に出会っていた。
井戸に入れられ助けを求める北見を、井戸の縁から覗き込んでいたのは神楽だった。
記憶を失ったまま再会した二人は対立していく。いや、それは偶然ではなく、父親の策略によって仕組まれた再会と対立だった。
過去を操り、現在を歪めてきたのも父――。
十二年前、何があったのか。
ふとした拍子に蘇る記憶と、消えない虐待の傷跡。
それらに苛まれながらも、北見と神楽はやがて真実を突き止め、反抗を決意する。
檻のような「家族」から自由を掴むその日を夢見て――。