あらすじ
この番外編は、本編『それでも生きた。』に登場するカイル・アークレインという人物の過去を描き、その冷たく見える外面の裏に隠された「理由」を紐解くために書きました。
名門アークレイン家の次男として生まれたカイルは、幼少期の孤独と守れなかった命の痛みから、感情を封じ“氷の騎士”となった。すべてを遠ざけ、誓いと職務だけを胸に生きてきた彼が、政敵サーディスの養女リディアと出会う。沈黙の奥に小さな炎を宿す彼女の瞳は、かつて救えなかった少女の面影を呼び覚ます。冷たく固めた心に亀裂が走り、不器用な優しさが形となって贈られる――これは、孤独の果てに見た光と、再び生き直すための恋の物語。