あらすじ
“気づかれる”ことによる変化の始まり
碁盤の上では、僕は“強い”と呼ばれる。
だけどキャンパスの片隅では、誰にも名前さえ知られていない。
榛葉 颯(しいば はやて)、大学2年。
静かで、目立たず、誰とも深く関わらない青年。
しかしその正体は、現役のプロ棋士。高校生でプロ入りし、いくつもの公式戦を戦ってきた。
囲碁は、孤独だ。けれど、その孤独の中でしか見えないものがある。
そんな彼の正体に、ある日ひとりの同級生が気づく。
新聞研究会の柊木 ほのか(ひいらぎ ほのか)。
「取材をさせてください」――その言葉が、静かだった世界に、風を吹かせる。
これは、“囲碁の中”でしか生きられなかった青年が、
“囲碁の外”でも自分の人生を歩き出すまでの物語。