あらすじ
リアナ・グレイストーン伯爵令嬢は侍女を庇って呪いに触れてしまい、顔と身体に蛇の鱗のような紋様が浮かび上がる。
その事件をきっかけにリアナに持ちかけられていた縁談が一斉に撤回され、グレイストーン伯爵夫妻は頭を抱える。
その時、事情を知ったウィルバート・ヴァンス子爵令息がリアナに婚約を申し入れた。
穏やかで優しいウィルバートとならいい関係を築いていけると、そう思っていたのに……。
「可哀想な君のためを思って言っているのに……。僕の言うことが聞けないなら婚約は解消したほうがいいのかもしれないな」
「そんな……!」
王立学園に入学した頃から二人の関係は歪に変化し、ことあるごとに婚約解消を盾にしてウィルバートが要望を通すようになっていた。
「マーガレットは食事のマナーがまだまだ覚束ないんだから、僕が側にいてやらないと」
そして、リアナよりも元平民だったマーガレットの面倒ばかり見るようになったのだ。
それでも、リアナは何も言えずにウィルバートの言いなりのままで……。
なんとなく一人になりたくて立ち寄った図書館で、留学生のアーサーと出会ったことをきっかけにリアナは徐々に自分自身を取り戻していく。