あらすじ
神々の手によってつくられた日ノ本には、この国の統一と安寧秩序の回復のために力を授けられた一族がいる。
太陽の加護を授かった日の一族と、月の加護を授かった月の一族と呼ばれる者達だ。
日の一族は、人並み外れた強さと頑丈さを。
月の一族は、運命を変えるためのツキを呼ぶ力を。
やがて、幾星霜を経て統一はなされたものの、次第に日の一族による独裁政治が始まり、安寧秩序とは正反対の道を辿っている。
月の一族であり「月の御子」の詩乃は、生まれた頃から日の一族によって囚われ、虐げられていた。
ある日「日の御子」の宗一郎に嫁いだ姉が彼の手によって命を奪われていたことを知る。
また、詩乃と宗一郎との婚姻が勝手に決められていたのだ。
姉を失い、心が折れてしまった詩乃は、宗一郎と契りを結ぶ儀式の最中に海へ飛び降りてしまう。
そして、意識が薄れていく中で願った。
幸せな人生を。あたたかくて笑い合える日常を。誰にも囚われない、自由を。
「死ぬのならその命、僕にちょうだい」
そこに現れたのは、龍神の洵。
彼もまた、父親に勝手に決められた婚姻から逃げていた。
洵の気持ちが痛いほどわかる詩乃は、彼にとある契約を持ちかける。
洵が好きになった人と結ばれるために。
詩乃が好きになった人と結ばれるために。
二人の逃避行が、今はじまる。