あらすじ
約十年ほど前に、巷で人気を博していた次世代型アクションRPG——カプリシャス・オブ・ガッデス。その虚構の世界が現実に対して、突如として侵食を始めていた。その結果、この世にはバグ・キメラと呼ばれる異形のモンスターが出現し、人類はそれらの災厄に対抗するべく世界各地で行動を起こす。だが、当時の科学技術では、神出鬼没で物理法則を無視するこの怪物達への対抗手段は極めて限られていた。
そのため、当初は人類側が大きく劣勢へと立たされることになる。だが、ここで人間の方にも大きな変革が起こり、この逆境を一気にはね返すことになっていた。その最大の因子となったのは、〈儀能〉と呼ばれるゲーム世界の能力を持つ者——スキル・ドライバー達の出現だ。彼らの活躍により、バグ・キメラは世界から徐々に減少することになる。未だに新たなモンスターは出現するものの、人類の世界はなんとか平穏を保つことができていた。
そんな中、久比川一琉も人知れずその異能を身につける。だが、それは何度死んでもHP1で蘇ることができるという微妙な能力だった。
自分自身には戦闘能力が一切ないため、このような異能があっても世の役には立てない。世界を守るために戦うスキル・ドライバー達が英雄視される中、一琉はどうしても劣等感を抱いてしまっていた。
そんな折——
一琉は一人の少女——白菊と出会う。
彼女は自身に関する記憶をほとんど失っていたが——
その攻撃(口撃)に、確率で即死効果を上乗せできるという危険な儀能のことだけは、しっかりと覚えていた。