あらすじ

主人公ゆみは、築40年の実家で、母、姉と三人で暮らしている。 ゆみは半年前に仕事を辞めてから、ほぼ家から出ることなく1日が完結していることを自覚しているが、そんな生活にも自分にも焦りを感じることなく暮らしている。 そんなゆみが1日の大半を過ごす場所は台所だ。 料理をするために台所に立つ時間以外にも、本を読んだりレシートや書類の整理をしたりするとき、スマホを触っている時間も台所に座っている。 最新ではない家電に、歩くとひやりとするような音を立てる床。大きくてひたすら頑丈な食器棚。エアコンはついておらず、換気扇は大袈裟な音を立てて回る。 子どもの頃から変わらない、窓から見える河川敷の景色と近所のおじさん達の怒鳴るような話し声。 映える要素はひとつもない。「キッチン」よりは「台所」の響きがしっくりくる場所ではあるが、光が多く入り、風の通りが気持ち良い。 台所から見える景色と、冷蔵庫の食材から季節の移り変わりを感じ、家族と自分が食べていくためだけに、ひっそりと台所に立つお話です。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2025/08/11
  • 現在の作品ゆみの台所