あらすじ
記憶をなくした和装の少女。
彼女が持っていたのは、一本の刀と、失われた過去の謎だった。
都会の片隅でしがない物書きとして暮らす「僕」の平穏な日常は、一人の風変わりな少女を助けたことで、音を立てて崩れ去る。
彼女の名は、花。
自分の名前以外、全ての記憶を失っているにもかかわらず、古風な言葉遣いで自らを「抜刀の者」と名乗る、あまりにも時代錯誤な存在。
そんな花の前に、彼女を追う二人の謎の男たちが現れる。
背中に見事な桜吹雪を纏い、鋭い眼光で花の「罪」を問う男。
白馬に跨り、圧倒的なカリスマで花の「主」を名乗る男。
彼らは一体、何者なのか?
そして、花が失った記憶の先にある「本当の役割」とは?
江戸の正義、幕末の罪、そして現代の常識。
決して交わるはずのなかった者たちが、東京を舞台に交錯する。
これは、一人の少女の失われた過去を巡る、壮大な謎解きの物語。
そして、時代に翻弄された者たちが、自らの居場所と魂の在り処を見つけ出す、奇妙で、可笑しく、そして少しだけ切ない、再生の物語である。