あらすじ
辺境の村から王都の星環教会へやってきた研修生アナベル・ウィンダーミア。
門で出会った王族直属騎士団副団長ルシアン・ヴァルセインと握手を交わした瞬間、二人の手首に金色の光が浮かび上がる。
それは"番"——神が定めた魂の半身の証。
物語の中でしか聞いたことのない奇跡的な出会いに胸を躍らせるアナベルだったが、ルシアンの口から告げられたのは冷酷な現実だった。
「俺には……すでに婚約者がいる」
その婚約者こそ、名門ルヴェリエ家の令嬢セレナ。国境の緊張が高まる中、彼女との政略結婚は王国の命運を左右する重要な政治的意味を持っていた。
番の衝動に身を焼かれながらも、決して越えてはならない一線を守ろうとするルシアン。
想い人を諦めきれずにいながら、彼の立場を理解しようと努めるアナベル。
そして、すべてを知りながらも優雅に微笑み続けるセレナ。
三人の心は複雑に絡み合い、それぞれが異なる痛みを抱えながら日々を過ごしていく。
ある夜、王城への同時襲撃事件が発生する。政務棟にいるセレナか、礼拝堂裏にいるアナベルか——二択を迫られたルシアンの足は、迷うことなくアナベルの元へ向かった。
その選択は、三人の運命を決定的に変えることになる。
政略と恋情、義務と本心、誠実さと衝動——
揺れ動く想いの果てに、それぞれが下す選択とは。
番という絆に翻弄されながらも、最後に自分自身の意志で道を選び取る三人の物語。
誰もが傷つかない結末なんてない。けれど、誰もが自分らしく生きられる道はある。
辺境の丘で静かに暮らすアナベルの元に、三年の時を経てルシアンが現れた時、そこには小さな命が寄り添っていた。
「今度は……俺の意志で迎えに来た」
政の務めを果たし終えた彼の手に、アナベルは自らの手を重ねる。
皮膚の下で再び光る金色の証は、もう二人を引き裂くものではなく、新たな季節を照らす光となって——。
愛とは選ぶこと。
幸せとは、選んだ道を自分の足で歩くこと。
番の絆を軸に描かれる、大人のファンタジーロマンス。
全20話完結。
**【キーワード】**
番・運命の相手・政略結婚・三角関係・騎士・王都・ファンタジー・恋愛・完結済み・ハッピーエンド