あらすじ
2090年、人工の光に覆われた巨大都市〈アステリオン・シティ〉。
市民を熱狂させるのは、真紅の着物を纏った少女が舞う「イケニエの舞」だった。
脳に埋め込まれた神経リンク・チップにより、彼女は人間の限界を超えた完璧な舞を披露する。
その背景には、余命宣告を受けた子どもを仮想世界へ“自我ごと”移す〈楽園移送法案〉があった。舞台を終えた少女は透明なカプセルに入り、次の瞬間、巨大スクリーンの中で自由に踊り始める。そこでは病も痛みもなく、他の子どもたちと笑顔で過ごすことができるのだ。
しかし、ある夜の公演で予期せぬ事態が起こる。
舞台に乱入した者たちが暴く“真実”は、観客だけでなく世界中の人々の信じていた現実を揺るがすことになる――。