あらすじ

人前で、笑顔を貼り付け十三年。 少しでも失敗を犯したら鞭で打たれ、最近は平手もおまけのようについている。 今はそんな鞭打ちのお時間。何回されても慣れないこの鞭打ちも、表面上美しい笑顔で耐えてみせる。 (何回やっても、慣れないわね……) ルーリア・コキリ・セロライハラ。侯爵家の次女であるがメイドのような暮らしをしている。否、メイドより酷い暮らしをしている。 ワンピースに近い薄茶の埃まみれのドレス。埃を被った髪。その髪は血のように赤黒く、それが理由で家族に虐げられていると言っても良い。髪と同様、目も赤黒くて、まさに血塗れなのだ。瞳がルビーのようなんて、そんな綺麗なものではない。ルビーと呼ばれるものは透き通っていて、生き生きとした赤色の瞳のことを言うのだ。 ルーリアの瞳はそんな色ではない。 赤にはドス黒い黒色も混ざっていて、今にも死にそうな目をしている。髪も同じだ。埃を被って少しばかり見えないは見えないが、よく見れば直ぐに分かるということで。 そんなルーリアが鞭打ちの時間が過ぎて窓拭きをしている最中、母であるギュアカーラの聞いたことのないほどのご機嫌な声を聞き、ルーリアは怪訝そうに窓から門前を見る。すると、ギュアカーラの隣でメティーチェイアが上品なカーテシーを披露しているではないか。 その前には男性がいる。誰かしら。そう思ったのは少しの間。姉と母の自室があるこの廊下には、来ないのではないだろうか。 そう思い窓拭きを再開し鼻歌を歌っていた時、話し声が聞こえて横を振り返ると、あの三人がこちらへ来ているではないか。 ルーリアはバケツとタオルを置いて曲がり角まで逃げた。

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小説を読もう2025/05/15
  • 現在の作品血のような赤黒い髪が理由で家族に虐げられていた侯爵令嬢は、聖女として国に仕えることにした。〜『救ってくれたからお役に立ちたい』そんな理由だったけど〜