あらすじ

彼ら、彼女らの世界はこの“神の塔”の中だけで完結している。 誰もが生まれる前から決まっている最重要目的こそが“神の塔”の攻略。 誰が言ったのか、どうして攻略をするのか。そもそも“神の塔”とはなんなのかそれすらも分からず、誰もが攻略へ向けて登り続ける。 人々が生まれ出る祭壇のある第一階層を除き、いずれの階層にも魔物は存在し、階層主と呼ばれる魔物を討伐すれば上の階層へと進める。 誰もが生まれながらにレベルとステータス、適性というものに縛られ、戦う者も、戦わない者も攻略という共通目的のために生きる。 戦闘職と呼ばれる攻略の花形である冒険者たち。剣を得意とする者や、魔法を得意とする者。人であったり亜人であったりとさまざまだが、ここに魔法を使えない魔法使い適性の彼女がいた。 「モエは魔法使いなのですっ」 「じゃあ火を出してみてよ」 「……ファイア」 「なにその水溜まり。しかも赤いの」 「ファ、ファイアなのですぅ……」 魔法使い適性が初めて覚えて行使する火球を飛ばす魔法さえも彼女が使えば手からこぼれ落ち、液体のごとく地面に広がり消えるのみ。 魔法が使えない魔法使い。理想と現実との乖離に悩みうつむくモエに最初の転機が訪れた。鉄球との出会いである。 「君にこれを──」 「これは」 「“自在の鉄塊”という。この塔に縛られた者たちの象徴──」 そうして“自称”魔法使いモエは、自身が魔法使いであると頑なに信じつつも、鎖付き鉄球を振り回して暴れるゴリゴリの物理戦闘職として活躍することに……。 「あのー、魔法使いです。パーティを追い出されて……誰か一緒に組んでくれませんか?」 前向きに、めげない彼女にひとり、またひとりと仲間ができる。 弓が使えないエルフに受付の筋肉ハゲ僧侶。そして、塔に囚われていた不死者。 “神”らしきものの存在との遭遇から始まる攻略は普通のそれを少しずつ外れていく。 やがで彼女らが辿り着くのは頂上からの眺望か、三千世界に轟く名声か、それとも──。 華やかに輝かしいさいつよの活躍などとはほど遠い、そのくせ泥臭くもどこかふざけた女の子たちを中心に展開されるダンジョン攻略物語です。

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カクヨム
カクヨム2022/07/05
  • 現在の作品魔法が苦手な魔法使いなどいらない! パーティ追い出され女子の鉄球ぶん殴り攻略