あらすじ
二十九歳の登山ライター・佐藤美沙は、結婚への焦りから相談所に入会する。お見合い相手の圭介との初デートで、アルコールによる急性中毒で救急搬送された彼女は、生死の境で不思議な体験をする——五年後の自分が三人現れたのだ。結婚した自分、仕事に没頭する自分、そして自暴自棄になった自分。それ以来、美沙は人生の選択の度に三人の未来を見るようになる。
圭介からのプロポーズを受けた温泉旅館で、ついに四人目の自分を発見する。それは、一人でヒマラヤの稜線を歩く、誰よりも幸福そうな自分だった。美沙は指輪を押し返し、数年後、ネパールの山村で子供たちに日本語を教えながら暮らしている。
しかし物語の最後、読者は驚愕の真実に直面する。