あらすじ

ラステアの夜市は、首元に輝く「星刻」が神の意志として人々を導く街だ。彗星の尾、星座、砂時計――その形と数は運命を示し、信仰と畏怖の対象となる。だが、〈三つの彗星〉を持つ男、レイ・アステルにとって、それはただの金儲けの道具でしかなかった。星刻を読み、未来の一手を視る“星詠み”で賭場の勝敗を操り、銀貨を稼ぐ。運命など信じない。信じるのは、自分の読みと手の中の金だけだ。

ある夜、賭場の入口で、首に星刻を持たぬ無星者の老人とすれ違う。運命庁の戸籍にも記されぬ、社会から見放された存在。レイは冷たく視線を逸らす。だが、その直後、突如として視界が裂け、〈欠けた彗星〉が夜空を駆ける幻視を見た。炎に沈むラステア、崩れる塔、悲鳴を上げる群衆――それは災厄の兆しか、あるいは己の破滅か。〈三つの彗星〉が熱を帯び、耳奥に不気味な囁きが響く。

そのとき現れたのは、白装束の巫女セラ。首元の〈白の砂時計〉が月光を跳ね返し、凍てつく声で告げる。
「運命庁がお前を呼んでいる。欠けた彗星は災厄の兆しだ。従わねば、星狩りが来る」

軽口でかわすレイだったが、胸の奥では先ほどの炎のビジョンがくすぶり続けていた。星刻は神の意志であり、運命を導くもの。それを己の欲望のために汚してきた彼が、なぜ今、神の警告を受けねばならないのか――。

欠けた彗星が裂くのは夜か、それとも彼の運命か。運命を嘲笑ってきた男は、やがて星々の光の下で、自らの選択を迫られる。

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アルファポリス
アルファポリス2025/08/10
  • 現在の作品金に溺れる星詠みの終末革命 〜欲まみれの未来予知者が挑む、終焉へのカウントダウン〜