あらすじ
ダルヴェニア村のある男の子は、いつか遠くへ旅をすることを夢見ていた。だが、まだ幼児だったころから、彼は身体が少しずつ動かなくなっていく原因不明の病に悩まされていた。ベッドに横たわる時間が次第に増えていき、4歳のころ、そこから一歩も動けなくなってしまった。寂しくて鬱屈としていく心。彼に友達はいない。家のなかの両親が幾度となく喧嘩してしまう。生真面目な父が悩んでいるのが分かる。いつも陽気なはずの母も泣いてることが増えた。
「どうしよう。僕、生きててもいいのかな」
それは彼の5歳の誕生日の当日だった。高熱で意識が朦朧とするなか、男の子は可愛らしい天使の夢を見る。
「安心してね、レフィス。君はもうすぐ治るよ。もう少ししたら、僕を見つけてね」。
これは、神に深く愛されている少年レフィスが、生まれ育った小さな村を中心に、かけがえのない幸せな日々を過ごす物語。人は彼をいつしか”ダルヴェニアの聖者”と呼んだ。